こんにちは!
株式会社Tcell 代表取締役 薬剤師×中小企業診断士の戸井優貴です。
今回は気ままに編③です。
気ままに編②の続きで事業承継により引き継ぐ際の注意点をお話させていただきます。
まずは第三者承継、親族内承継のどちらでも言えることです。
それはそもそも将来のマーケット規模は適正ですか?ということです。
第三者承継のデューデリジェンス(先日のブログを参照にしてください。)の際には「過去3年分の決算書」を元に金額をはじきます。
また親族内承継でも「今の状態」をみることになりますよね。
そのため将来の予測がおざなりになっていることが多いです。
しかし改行される先生は将来にわたって経営を続ける必要がありますよね。
そのため過去や今を見るのではなく「未来を見てください。」
極端な話、今大赤字でも将来的に黒字化できるのであれば、第三者承継で言えばそれが「掘り出し物案件」です。
つぎに院内の風土です。
これは結構根深いです。
先代の方の色に染まっている院内を開業したての先生が変えていこうとするとかなり骨が折れます。
しかしこれをやらないと先生の思った院内にすることができません。
特に親族内承継で多いのは「大先生」として残る状態がよくあります。
これについては一気に引退というのは難しいので、徐々に引退していただく方がいいと思います。
そのためには「○年で引退」という約束の元、承継していった方がいいかと思います。
つぎに第三者承継の場合ですが「買えるかどうか分からない段階で専門家に頼むとお金が・・・」と言われる方も多いですが、
個人的な見解としてこれは間違い(賛否両論あるかとは思いますが)です。
その理由としては、「案件はいくつも買えないから」です。
つまりスタート時点で手の打ちようがない案件を掴んでしまえば取り返しがつきません。
今のところ医療分野で私はあまり聞かないのですが、将来見込みが甘くてM&Aで苦労している会社を多く見ています。
「過去を見て将来をみない」ということがよくあります。
なので、このタイミングから専門家(※M&Aの専門家ではなく、医療経営の専門家に)に依頼したほうが安全かと思います。
M&Aの専門家がNGの理由は必ずしも医療経営に精通しているわけではないということです。
特に法改正の知識がないと後々痛い目を見ます。
M&Aの専門家の中でも医療関係に強い方はおみえになると思うので、そういった方なら大丈夫かと思います。
ただ最後は先生の人生をかけた内容ですので、「専門家が何と言おうともご自身の判断で行う」ことに心掛けてくださいね。
私もM&Aの相談をよく受けますが、「おいしい話は裏がある」と思った方がいいなー。くらいです。
そうではなく、立地的にここなら行けるかな?とか現状の話はとりあえず置いておいて
「その場所でイチから立ち上げるよりスタートダッシュがいい」とか「元々そのあたりで開業したかった」とかの方が成功する気がします。
とりあえずいい案件でも「一度診療圏分析をして将来の患者さんの想定」をしてからの方が少なくともいいと思います。
それと無駄になることを前提に「デューデリジェンスのみは専門家に頼むこと」で取り返しのつかない状態にならないようにした方がいいかなと私は思います。