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2021.09.03|ブログ

クリニック開業失敗例(加算編①)

こんにちは!株式会社Tcell 代表取締役 薬剤師×中小企業診断士の戸井優貴です。

今回からは加算についてお伝えしていきます!

 

診療報酬とは医療機関の収入となるもの。

もう既にご存知の先生もいらっしゃるかと思いますが、おさらいとして書かせていただきます。

 

まず、医師が行う医療行為に対し点数が決まっています。

診療報酬点数といわれ、1点=10円。その金額が医療機関の収益です。

そんな診療報酬点数の中に、加算といわれるものがあります。ある医療行為に上乗せされる点数のことをいいます。

「診療点数早見表」や「診療報酬点数表」というものに沿って点数を取ることができます。

その早見表や点数表の中に、『加算』と呼ばれるものが入っています!

医療費は「診療報酬」というルールに基づき、患者様はどこの医療機関を受診しても一律とされ、

大きく「基本診療料」「特掲診療料」に分けられています。

外来の基本診療料には「初診料」「再診料」「オンライン診療料」などがあり、

特掲診療料には「医学管理等」「検査」「画像診断」「投薬」「注射」「リハビリテーション」「処置」「手術」などがあります。

加算編では、「基本診療料」それらに付随する加算の算定要件について解説していきたいと思います。

今回は、初診料と再診料についてお話しします。

 

※以下に記載されている点数は令和2年時点のものです。

①初診料(288点)

皆さんご存知の点数として、初診料があります。これは点数表で一番最初に書かれています。

基本的には初めてその病院を受診した患者さんに対して算定できるものですが、

複数の傷病名がある患者さんがいた場合、複数の傷病すべてが「治癒」または「中止」になり、

先生が「今かかっている傷病について、一旦終わりで大丈夫だろう」と判断されたあとに、

再び患者さんの方から診てほしいとのことで受診されたのであれば、その1回目は初診料が算定できます。

そのため、暦月の1ヵ月のうちに2回以上算定できることもあります。

この場合、傷病名が前回かかっていた傷病名と同じでも構いません。

要は、来院の予約などせず、先生も『この病気については一旦終わり』と判断したが、

患者さんの方から診てほしいと思って来院した1回目が初診になります。

 

②再診料(73点)

同じ病気やケガで2回目以降に病院やクリニックの外来にかかられたときに算定できます。

2回目以降の来院は、医師からの指示があって予約などをし、患者が来院する流れとなるかと思います。

そのときは『再診』となります。

先生の中では患者さんに対して「来月にもう1回来てね」「薬が無くなってもまだ具合が良くないようだったら」という指示を出している方も多いかと思います。

患者さんからしたら「先生から言われたとおりにする」ので、具体的な日時に予約をしなくても再診となります。

ただ、再診料については注意していただきたいことがあります!

罹患している傷病が1つでもあり、現在も治療継続中の場合、新たな傷病名が付いても初診料を算定することはできません。

具体的に例を挙げると、脂質異常症等の患者さんが風邪をひいてしまい診察してほしいと来院し、今日は風邪の診察だけで大丈夫という場合でも再診料となります。

特定疾患などの継続的な治療管理が必要な患者さんの場合は、何年もの間初診料は算定できないという場合もあります。

 

ここまで初診料・再診料についてお伝えしましたが、実はどのくらいの受診間隔で初診料から再診料に変わるか、ということについては実は診療点数早見表にも明確なルールが定められていないので判断が難しいポイントです。

初診料は患者さんにとっても病院にとっても正直グレーな部分があり判断が難しいんです。

病院ごとで定められていることがなければ、基本的には上記①②に書いた考え方でよいかと思いますが、

これから開業をお考えの先生は初診料と再診料の境界線をどのようにするか考えておいても良いかもしれませんね!

 

次に、初診料についての加算についてお話しします。

初診料には多くの加算があるため、漏れがないようにしっかり算定する必要があります。

初診料で算定できる加算は

⑴乳児加算

6歳未満の乳児に対して初診を行った場合は、乳幼児加算75点がとれる。

※ただし「時間外加算」「休日加算」「深夜加算」を加算する場合は、合わせて算定することはできません。

⑵時間外加算

平日6〜8時、18時〜22時、土曜日6時〜8時、12時〜22時に初診を行った場合に取れる。6歳以上は85点、6歳未満は200点の加算が取れる。

⑶休日加算

日曜日、国民の祝日、12月29日〜31日、1月2日、3日に初診を行った場合に取れる。6歳以上は250点、6歳未満は365点の加算が取れる。

⑷深夜加算

22時〜6時までに初診を行った場合に取れる、6歳以上は480点、6歳未満は695点の加算が取れる。

 

初診料に付随する加算はとりあえずこれくらいです、次回引き続き加算についてお伝えしてきます!

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