こんにちは!株式会社Tcell 代表取締役 薬剤師×中小企業診断士の戸井優貴です。
今回も業許可編、お話しします!まずは、前回のおさらいをします。
⑦基本診療科の施設基準等に係る届出書(提出先:厚生局)
診療をする上で、保険医療機関は一定の人員や設備の要件を満たす必要があります。それらの旨を厚生局に届け出て初めて、『点数』を算定できるものがあります。逆を返せば、この書類を提出しないと、診療行為を行っても点数として見なされず、売上をたてることができません。こちらも保険医療機関指定申請書と同様に、厚生局ごとに毎月締切日が設けられているので注意が必要となります。
では、本日は⑧生活保護法指定医療機関指定申請書(福祉事務所等)
⑨労災保険指定医療機関指定申請書(労働基準監督署)
⑩防火管理者講習の受講(日本防火・防災協会)
についてお話します!
⑧生活保護法指定医療機関指定申請書(提出先:福祉事務所等)
生活保護受給者に対して診療を行う場合にもらえる給付を受け取るために申請する書類です。
書類の提出時期としては、保険医療機関指定通知書が厚生局から届き次第提出となります。
理由としては、保険医療機関指定通知書にある『医療機関コード』を生活保護法指定医療申請書に
記載する必要があるためです!
ただ、こちらも事前に問い合わせをしておいてもいいかと思います。
⑨労災保険指定医療機関指定申請書(提出先:労働基準監督署)
仕事上で怪我をした人を労災保険で治療をしてあげるための指定です。
この労災保険指定医療機関になるためには、医療機関の所在地を管轄する都道府県労働局長に対して
必要な書類を提出し、都道府県労働局長による指定を受ける必要があります。
※労災保険指定医療機関とは、労災保険法の規定による療養の給付を行うものとして、労災保険法施行規則第 11 条第1項の規定により、都道府県労働局長が指定する病院又は診療所のことをいいます。
労働者災害補償保険(労災保険)では、労働者の方が仕事・業務や通勤が原因で負傷したり病気になった場合、
原則として労災保険指定医療機関で無償で治療を受けることができます。
ですが、適応範囲もきちんと定められています。
有床でないクリニックを啓江栄する場合はあまり関係ありませんが、無償の治療は労災保険の範囲内に限られ、
病院の個室利用代や備品代(日用品等)は患者さん負担となります。
医療機関の所在地を管轄する都道府県労働局に対して、次に掲げる必要な申請書を提出する必要があります。
・労災保険指定医療機関指定申請書
・病院(診療所)施設等概要書
・開設許可証
・労災指定病院等登録(変更)報告書
・知事届出事項に係る届出書の写し
・その他労災診療費の算定に際して必要な事項の記載された書類(地方厚生局へ届け出た施設基準に関する受理通知の写し)
この申請も開業手続きの1つとして覚えておいていただけるといいかと思います!
指定機関としては、指定のあった日から3年間です。
指定更新をしない旨の申し出のない限り(指定期間満了日前6ヵ月より同日前3ヵ月までの間に)、指定は自動更新となります。
⑩防火管理者講習の受講(日本防火・防災協会)
クリニックの開業手続きの1つとして、忘れがちなのがこの講習です。
これは書類提出ではないですが、開業するうえで必要です!ちなみに、こちらは一応国家資格となっています。
診療所の場合は特定用途建物となります。
医療関係の施設に限らず、不特定多数の人々が集まる各種施設等では、「防火管理者」が必要となります。
その場所を管理・監督する立場の方から選任するよう、消防法で定められています。
防火管理者が必要な理由としては、もし誰も防火について知識を有しておらず、
万が一クリニックでボヤでも起きてしまった場合、よくわからないまま間違った避難誘導をしてしまったら・・・
たいへんなことなりますね。
スタッフさん各自が誤った判断をし、各自で消火活動をしてしまったりしたら・・・
最悪被害をもっと大きくしてしまうかもしれません。
防火管理者はクリニックに勤務される方であれば管理医師でなくても良いのですが、
スタッフさんは退職される可能性もありますので、通常は先生か先生の奥様が防火管理者になる場合がほとんどです。
ちなみに講習時間としては、9時〜17時までの講習を2日間受講、
もしくは9時〜17時までの講習を1日受講することが多いです。
講習を受講すれば防火管理者の資格を取得する事が出来るので、必要なのは基本的には時間だけです。
講習の最後に試験がありますが、正直とても簡単です。
受講時期としては、開業日までにお願いします。
以上、業許可編について①~⑩お話ししました!次回は加算について詳しくお伝えします。