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2021.08.04|ブログ

クリニック開業失敗例(業許可編⑥)

こんにちは!

株式会社Tcell 代表取締役 薬剤師×中小企業診断士の戸井優貴です。

今回も業許可編、お話しします!

前回は保険医療機関指定申請書についてお伝えしました。少しおさらいをしましょう。

⑥保険医療機関指定申請書(提出先:厚生局)

多くの先生が、自費診療だけでなく、保険診療も視野に入れているかと思います。

保険診療を行う際に必要となる申請が、「保険医療機関の指定」の届け出です。

これは健康保険法に基づいて定められており、厚生局が管轄しています。

診療所が保険診療を実施する場合、厚生局から「保険医療機関の指定」を受けなければなりません。

この指定を受けなければ、診療報酬の請求ができなくなります。必ず申請するようにしましょう。

 

さて、今回は⑦基本診療科の施設基準等に係る届出書についてお伝えします!

 

⑦基本診療科の施設基準等に係る届出書(提出先:厚生局)

診療行為を行う上で、この書類も必須です。

診療をする上で、保険医療機関は一定の人員や設備の要件を満たす必要があります。

それらの旨を厚生局に届け出て初めて、『点数』を算定できるものがあります。

逆を返せば、この書類を提出しないと、診療行為を行っても点数として見なされず、売上をたてることができません、

こちらも保険医療機関指定申請書と同様に、厚生局ごとに毎月締切日が設けられているので注意が必要です。

先生が行おうとする診療すべてに関して点数を取れるように、保険医療機関指定申請書と併せて、

厚生局に事前相談したうえで提出するとよいかと思います。

ちなみに、やってはいけないこととして1つ。

厚生局に突然飛び込み、『クリニック開業をしたいんだけど、何の書類が必要?』と行くのはNGです。

先ほどお話しした保険医療機関指定申請書基本診療科の施設基準等に係る届出書というお話は

していただけるかと思いますが、『担当診療科は〇〇科なんだけど、何の加算が取れる?』など、

丸投げの質問は基本的に嫌がられてしまいます。

厚生局の方に嫌がられたら何一つとしていいことはありません。

かといって正直媚びる必要は全くないのですが、丸投げの質問はやめておいた方がいいです。

厚生局の担当スタッフさんによっては、最悪、開業の手続きに滞りが出てくる可能性があります。

厚生局の方とは、開業までは特にお世話になるかと思うので、

例えば『〇〇の診療をやりたいと思っているけど、何の書類を提出しなければいけないの?』などと言って狭めていきましょう。

※加算についてはまた後日お話しします!

ちなみに、今回『点数』という言葉を記載させていただきましたが、

これまで大きな病院などにお勤めであった先生はあまり携わらなかった領域かと思います。

もちろんご存知の先生もいらっしゃるかと思いますが、おさらいとしてお読みいただければと思います!

医療費の「点数」とは?

健康保険を使って診療を受け、薬をもらう際、患者さんが病院や薬局に支払う金額は

実際にかかっている金額の一部、いわゆる自己負担分(1~3割)だけです。

では残りの7~9割は誰が支払っているのか?これは月々の保険料を収めている「保険者」と呼ばれる団体です。

国民保険の場合は自治体、健康保険の場合は勤め先などの健康保険組合等ということになります。

以下は厚生労働省が公開している保険診療の概念図です。

 

 

結構入り組んでますよね。このように複雑な仕組みになっているのは、

本来な不要な医療を提供して診療報酬を不正に請求しないようにするためです。

診察や注射、検査などにかかった費用は、種類によって一律の「点数」が細かく決められています。

医療機関は、その月に何点分の費用がかかったかを報告し、

1点=10円としてのちに診療報酬を受け取るという仕組みとなっています。

このような細かいところはおそらく医療事務さんが担当する領域かと思いますが、

どのような流れなのかは先生も知っておいたほうがいいかもしれませんね。

 

業許可編、まだまだ続きます!

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