こんにちは!
株式会社Tcell 代表取締役 薬剤師×中小企業診断士の戸井優貴です。
今回も業許可編、お話しします!前回は主に診療所使用許可申請書、診療用X線装置備付届についてお伝えしました。
少しおさらいをしましょう。
②診療所使用許可申請書(提出先:保健所)
端的に言うと、有床の診療所を開設するための申請書です。有床の診療所とは、19人以下の患者を入院させるための病床(ベッド)を持つ診療所のこと。※無床の場合は届け出る必要がない書類。
③診療用X線装置備付届(提出先:保健所)
クリニック開業時にレントゲンを設置する場合に必要となる書類です。(定格出力の管電力が10キロボルト以上の診療用エックス線装置を備えた場合に必要となります。)
診療所開設届と一緒に提出。※レントゲンを導入しない場合は届け出る必要のない書類。
さて、今回は麻薬管理者・施用者免許申請書、結核予防法指定医療機関指定申請書についてお話ししていきます。
④麻薬管理者・施用者免許申請書(提出先:保健所)
先生であればご存知かと思いますが、麻薬の取扱いは、麻薬及び向精神薬取締法で厳格に定められてるため、
都道府県知事から免許を受ける必要があります。
そのため、麻薬を使用する場合は免許の申請が必ず必要になります。
保健所の許可なく麻薬を使用した場合は違法となります。
現在開業する前に病院などで勤務をされている先生であれば、
開業する際には麻薬施用者免許証記載事項変更届という書類の提出が必要になります。
さて、ここで申請書名に「麻薬管理者・施用者」とありますが、
こちらも明確に定められている規定があります。(2021年7月現在)
麻薬管理者とは:
麻薬診療施設で施用、交付される麻薬を業務上管理する者のこと。
麻薬施用者が2名以上いる麻薬診療施設には、麻薬管理者を1名配置しなければならない。
麻薬を所有せず、処方のみでも麻薬管理者の設置は必要。
麻薬施用者が1名のみの場合は、その施用者が管理者業務を行う。
【免許取得できる方:薬剤師、医師、歯科医師、獣医師】
麻薬施用者とは:
疾病治療の目的で業務上麻薬を施用、施用のための交付、麻薬処方せんを交付する者。
麻薬管理者免許証だけでは麻薬の施用ができない。
届出により麻薬施用者免許証に診療施設名の記載があれば、複数の診療施設で麻薬の施用が可能。
【免許を受けられる者:医師、歯科医師、獣医師】
です。
一般的な提出時期としては免許が必要になる日の7日程度前まです。
ですが、開設届と同じく早め早めに保健所にもっていき、足りない書類がないかお聞きしたほうが無難かと思います。
添付書類として、新規で申請する場合は
他の医師の診断書(要は、開業する先生が麻薬を乱用する可能性があるか診断するものです)が必要になります。
また、なぜ麻薬を必要とするのかといった理由書も必要になってくる場合があります。
このあたりも保健所の方にお聞きして必要な書類をそろえていけるといいかと思います。
まとめると、麻薬管理者・施用者免許申請書は
となります。
この申請書では、麻薬を使用する場所を記載する必要があります。
この届け出を出さずに麻薬を使用してしまうと違法となるので要注意です。
また、もう一度お伝えしますが、開業医の先生は元々勤務していた病院で取得していることが多いかと思いますが、
その場合は開業時に変更届が必要なので、気をつけましょう。
⑤結核予防法指定医療機関指定申請書(保健所)
診療所が結核の公費負担医療を行う際に申請しなければならない書類です。
結核指定医療機関というのは、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」において
結核患者に対する適正な医療を担当する病院若しくは診療所または薬局で結核公費負担の医療を担当
する医療機関のこと(結核指定医療機関でないと、原則として結核公費負担医療を行うことができないです)
結核の患者さんを受け入れる可能性がない場合はこの申請書を申請する必要がないので、読み飛ばしていただいて大丈夫です!
結核指定医療機関となる医療機関は、公費負担患者の医療を担当するに当たっては、
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の定めるところにより医療を担当しなければなりません。
医療を担当する上で適当でないと思われる場合には、その指定を取り消されてしまうことがあるので要注意です!
必要書類として、新たに結核指定医療機関の指定を受ける場合、結核指定医療機関となった日を「指定日」といいます。
※公費負担医療は「指定日」以降でなければ実施できませんので、指定日をきちんと確認してから患者さんの対応をしましょう。
一般的に、届け出に必要な書類は「結核指定医療機関指定申請書」「開設許可書の写し」になります。
ですが、これらも保健所によって求められる書類が変わる可能性もあるので、必ず保健所に何の書類が必要か聞きましょう!
業許可編、まだまだ続きます!