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2022.02.16|ブログ

クリニック開業失敗例(医療法人➂)

こんにちは!

株式会社Tcell 代表取締役 薬剤師×中小企業診断士の戸井優貴です。

前回は、持ち分とは?などについてお話ししました。

今回は医療法人設立の流れについてお伝えしていきます!

医療法人を立ち上げるためには、いろいろな手続きをする必要があります。

医療法人の設立は、着手から認可が下りるまで半年程度かかるものであり、長期戦です。

申請先は医療機関を設立する場所の都道府県で、申請時期については都道府県によって違いますので、各都道府県のホームページから調べておきましょう。

法人の名称としては「〇〇会」とすることが多く、所轄内の既存医療法人の名称と同一又は紛らわしい名称や誇大な名称は避けなければなりませんので、ご注意ください。

医療法人設立までの大まかな流れは、以下のとおりです。

 

①医療法人設立説明会

 ・都道府県毎で年2回程度開催

 ・県によっては電話やメールでOK

②事前にメンバー決定

 ・社員3名、理事3名、監事1名の構成決定

③設立許認可申請書の作成・提出

 ・仮申請のち本申請

④設立登記申請書類作成・提出

 ・法人登記

 

では、各々詳細をお伝えしていきます!

 

①医療法人設立説明会

各都道府県では、年2回、医療法人の設立を検討されている方を対象に説明会を開催した上で、医療法人の設立認可のための申請を受け付けています。

 

②事前にメンバー決定

医療法人を設立するときには

a.社員

b.役員

c.理事

d.理事長

(e.常務理事)

f.監事

を決める必要があります。

 

a.社員

ここでいう社員とは、株式会社等の従業員とは意味が違います。医療法人における社員とは、「医療法人のオーナー」を指しています。原則として3人以上(各自治体により異なります)いないといけません。

医療法人の社員は、社員総会(株式会社でいうと株主総会)にて、会社の取り決め事(理事の選任、定款変更等)を決議します。

そこで、社員になるためには,どうすればよいのか。

社員になるための手続としては,定款に定める事項とされていますが、一般的な定款では,社員総会によって選任することとされています。

医療法人運営管理指導要綱によると

 

“社員は社員総会において法人運営の重要事項についての議決権及び選挙権を行使する者であり、

実際に法人の意志決定に参画できない者が名目的に社員に選任されていることは適切でないこと”

 

 

 

という文言があります。

つまり、「人運営の重要事項についての議決権及び選挙権を行使をすることができる方」であり、「法人の意思決定に参画できる方」であれば、社員になることができます。

年齢については特に決まりがありませんが、社員になる場合は『実印』が必要になります。実印を登録することができるのは15歳からのため、15歳から社員になることができま

す。

また、法人や団体でも社員になることができます。

※都道府県によっては「未成年NG」「学生は医学部以外NG」など制限を設けている場合もありますので注意してください。

b.理事

理事は3名以上、上限は定款により異なります。社員と異なり、法人や団体などは社員にはなれません。

医療法人の理事は、社員の総意によって選ばれ、理事会の中で日常的な運営管理の取り決めを行っていきます。

理事の任期は2年間ですが、再任されることもあります。

なお、医療 法人で開設するすべての病院、診療所、介護老人保健施設の管理者は、医療法人の理事に加える必要があるとされています(医療法46条の5第6項)。

また、理事も特に年齢制限がありませんが、実印登録が必要になるので15歳から就任することが可能です。

 

c.理事長

医療法人を代表し、医療法人の業務に関する一切の裁判上または裁判外の行為をする権限を有します。

理事長は、理事の中から多数決で選任されますが、原則として、医師又は歯科医師である理事から選出する必要があります。

これは医師又は歯科医師でない者の実質的な支配下にある医療法人において、医学的知識の欠陥に起因し問題が惹起されるような事態を未然に防止しようとするものです。

例外としては、都道府県知事の認可を受けた場合には、医師又は歯科医師でない理事からの選出が認められます。

 

d.常務理事

必ずしも設けなければいけない役職ではありません。医療法人によっては常務理事がいないところもあります。

常務理事と理事の違いとして、常務理事も理事も登記上の役員ですが、常務理事は理事より役職が上です。

理事は取締役ですが専務取締役などの役員の中では一番立場が下の役員です。そのため、常務理事と比べると理事は発言権、決定権が弱いです。

 

f.監事

監事は医療法人を監査する人のことです。社員と異なり、法人や団体などは社員にはなれません。また、監事も特に年齢制限がありませんが、実印登録が必要になるので15歳から就任することが可能です。

監事になれない方としては、「客観的に監査を行えない方」です。例えば、理事や理事長、理事の親族、顧問税理士、その医療機関で勤務している一般職員などはNGです。

公平性を保つために、必要なことですね。

 

③設立許認可申請書の作成・提出

④設立登記申請書類作成・提出

については、次回詳しくお伝えします!

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